歯のあり・なしが老後の健康寿命にどう影響するか?

健康

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丈夫な歯が老後に何本残っているか、考えてみたことはありますか?

私は50代で1本失いました。

こんにちは。食生活アドバイザーのおーです
趣味で取得した資格を活かして、家族の健康管理を意識するようになりました

今回は歯のお話。

年に3回くらい、歯科医院で歯の掃除をお願いしています。

そのとき右の奥歯に歯周病が発覚。

まったく自覚症状がなかったため気づきませんでした。

すでに手遅れ状態で抜歯することに。

現在インプラントです。

自費治療なので歯と一緒にマネーも吹っ飛び凹みましたが、早期発見で1本失っただけで済んだのはむしろラッキーでした。

元の歯と遜色のない機能を取り戻せたので、満足しています。

今回はインプラントの紹介記事かというと、そうではありません。

老後まで自分の歯を維持することがどう健康に影響するか。

このテーマで自宅介護の経験を踏まえつつ考察してみようと思います。

家族比較!90歳を超えて残存歯が2本vs31本

歯が元気なら身体も元気になる?

わが家のふたりの高齢者。母と叔母。

どちらも90代ですが、母の残存歯は2本

叔母は31本です。

生涯で失った歯が1本だけ

しかも90超えてから自然に。

食事中に「あ、歯が抜けた」と。

虫歯になったことがないそうです。

そんな叔母はなんでもバリバリ噛んで頭も明朗、活動的です。

母は以前から入れ歯でしたが、介護生活が進むにつれてどんどん歯が減っていき、90歳を過ぎてからは2本だけになってしまいました。

アルツハイマー型認知症で要介護5、あごも痩せてしまって噛む力が弱く、やわらかい料理を介助しながらベッドで食べる生活です。

歯の手入れの違い

叔母は良く歯磨きをします。

食後は必ず磨きます。

母は元気なころは寝る前の歯磨きこそしていましたが、日中はうがいだけで済ませることも多かったです。

残存歯の成績を見ると、歯磨きは大切なんだなとしみじみ思います。

整理するとこのようになります。

項目叔母(90代)実母(90代・要介護5)
歯の状態永久歯31本残存。虫歯などで抜歯した経験がない初老の頃から部分入れ歯。徐々に減って残存歯は2本
食事の自由度硬いものも普通に食べられる柔らかいもの中心、食べられる種類が制限される
口腔ケア毎食ごとの歯磨き日中うがい。夜に歯磨き
健康状態自立して生活要介護5(認知症・フレイル)
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歯を失うと、様々な健康リスクがあるとされています。

認知症リスクの増加
歯を失うと柔らかい食べ物中心の食生活になり、噛む回数が減少します。これにより脳への刺激が少なくなり、認知症のリスクが高まることが明らかになっています。


咀嚼機能の低下
歯の喪失により、食べ物を十分に噛むことができなくなります。噛む回数が減ると、だ液が少なくなるため栄養摂取の問題につながる可能性があります。


口腔衛生の悪化
歯がない部分には食べかすが溜まりやすく、細菌が増殖しやすくなります。その結果、口臭や残存歯の虫歯、歯周病のリスクが高まります。


転倒リスクの増加
歯が19本以下だと転倒リスクが2.5倍高くなると言われています。噛み合わせの悪化が体のバランスに影響を与えるためです。


見た目の変化
歯の喪失は顔の形に影響を与え、特に前歯がない場合は笑顔を見せにくくなり、人付き合いが減少する可能性があります。


発音への影響
特に前歯の喪失は「サ行」や「タ行」の発音を困難にし、コミュニケーションに支障をきたす可能性があります。


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これらの特徴は母と叔母にそのまま当てはまります。

歯の丈夫さが老後の健康にどう影響するのか?

歯を失う原因は?

虫歯

歯の喪失の大きな原因の一つです。虫歯菌の出す酸が歯のエナメル質を溶かし、穴を開け虫歯になります。

歯周病

歯を失う原因の約70%を占め、最も一般的な要因です。歯周病は歯を支える組織の炎症を引き起こし、進行すると歯が揺れて抜け落ちる可能性があります。

おー
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私や叔母が歯を失った原因も歯周病です。口腔ケアをしていても、加齢とともに歯を失いやすくなります。

歯と健康の関係は非常に密接と言われています。
歯周病や噛む力の低下は、糖尿病や誤嚥性肺炎のリスクとも関係していると言われています。とくに歯周病に関しては、放っておくと心臓病、糖尿病、脳梗塞などの疾患リスクを高めると言われています。

出典元:全国健康保険協会 日本臨床歯周病学会

虫歯や歯周病を防ぐには、適切な口腔ケアが必要です。

歯磨き

45度の角度で歯ブラシを当て、小さな円を描くように磨きます。
1回2分以上、1日2回以上行うのが理想的です。


歯間ブラシ

歯と歯の間の清掃に効果的です。サイズを適切に選び、優しく挿入して使用します。


歯磨き

歯間の汚れを除去し、歯周病やむし歯のリスクを下げます。

だ液が減る就寝前の使用が特に効果的です。


マウスウォッシュ

口内全体の殺菌や洗浄に効果があります。


バランスのとれた食事

カルシウムやビタミンCなど、歯や歯茎の健康に必要な栄養素を摂取することが重要です。


禁煙

喫煙は歯周病のリスクを高めるため、禁煙も口腔ケアの一環として重要です。


歯の掃除【歯科医院】

定期的に歯科医院で行う専門的な清掃です。歯周病や虫歯の早期発見も可能です。


フッ素塗布【歯科医院】

歯のエナメル質を強化し、虫歯予防に効果があります。定期的に歯科医院で受けましょう。


歯列矯正【歯科医院】

歯並びを整えることで、口腔衛生の維持が容易になり、将来の歯の健康に寄与します。


これらの方法を組み合わせることで、より効果的な口腔ケアが可能になります。

どうやって永久歯を永らえさせたのか?

虫歯しらずの叔母は、歯磨きだけで自分の歯を守り切りました。

さきほどの口腔ケアの紹介をガン無視するような話ですが、歯磨きだけで歯を守れる人は限られています。

一般的には、歯ブラシ歯ブラシだけでは歯間の汚れ(プラーク)を完全に取り除くことは難しく、さまざまなケアが重要視されています。

とくに、セルフケアでは落としきれない汚れが歯石として蓄積するため、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが推奨されています。

叔母はもともと、口の中に虫歯の原因菌が少なかったのではと思います。

かつては、虫歯の主な原因菌として「ミュータンス菌」が知られていました。しかし現在では、虫歯は単一の細菌ではなく、複数の口腔細菌が酸を出し、歯を溶かすことで進行することが分かっています。
また、従来は幼少期に家族と食器を共有することで虫歯菌に感染すると考えられていましたが、最近の研究では、生後4か月ごろにはすでに虫歯菌の感染が始まっているケースがあることが分かっています。つまり、家族との食器の共有だけでなく、飛沫やスキンシップを通じても虫歯菌が感染する可能性があるということです。

出典 一般社団法人日本航空衛生学会

虫歯を防ぐ対策は、幼児のころから始めるとよいそうです。
幼少期に虫歯菌の繁殖を予防すると、大人になってからも虫歯になりにくいといいます。

幼児の口に虫歯菌を感染させないために、以下のような工夫をされる親も多いようです。

食器の使い回しを避ける

大人が使用した食器を洗わずに幼児に使用させないように注意する


食べ物を冷ますときに息を吹きかけない

食事を冷ますときは、うちわで仰いだりするなど、直接息を吹きかけない工夫をする


幼児の口にキスをしない

唾液を介して虫歯菌が感染する可能性があるため、口へのキスは避ける


大人の食べかけを与えない

食品についた虫歯菌が感染する可能性を避ける


赤ちゃんが大人の口に手を入れないよう注意する

幼児が大人の口に手を入れようとする場合は、それを防ぐよう気をつける


親も虫歯治療を行う

身近な保育者である親も虫歯治療を行い、自身の口内の虫歯菌を減らす


これらの方法を実践することで、幼児への虫歯菌の感染リスクを低減させることができるようです。

大人の私たちは、残念ながら過去に戻って口腔環境を変えることはできません。

それぞれの口腔ケアを工夫し、歯を失うリスクを少しでも減らす工夫が必要です。

歯の代替治療

歯を失くしてしまうと、以下のような対策をしなければなりません。

詰め物(差し歯)

歯根が残っている場合にのみ適用可能で、歯根の上に被せ物をして、失われた歯の機能を回復させます。保険適用で治療できます。


入歯(義歯)

「部分入れ歯」と「総入れ歯」があり、取り外しが可能です。保険適量で治療できます。


インプラント

人工歯根をあごの骨に埋め込み、人口の歯を装着する治療法です。永久歯と遜色ない機能性や耐久性がありますが、治療には半年程度かかり、保険適用外のため高額な治療費が必要です。

認知症で入れ歯を使用する際のトラブル

母は介護状態になる前から入れ歯を使用していました。

入歯安定剤を併用すると食事中も外れにくく、かたいものもある程度食べられますが、自分の歯で食べるのとは食感や美味しさはやはり違うなぁ…と言っていました。

認知症になってからは、深夜に起き出して洗浄中の入れ歯を口の中に入れてしまったり、入歯安定剤をつけすぎて剥がれなくなったりといったトラブルがありました。

歯がないと心配で探し回ってしまうため、保管場所を場所を変えたり気をそらして忘れさせたりしていました。

認知症を発症してしまったら、相手に合わせた管理方法や工夫が必要かなと思います。

食事のたびに脱着し、歯磨きと入れ歯の洗浄を両方しなければならないため、食事の介護負担も地味に増えます。

手間だからといって、入歯安定剤で終日つけっぱなしは、かなり不潔で、残りの歯の寿命も短くしてしまうためオススメしません。

歯が抜けるたびに何度か作り直しましたが、完成前にまた歯が抜けたり顎が痩せてしまったり、歯の老化スピードが加速したことなどが理由で、最終的には入れ歯なしで食事をするようになりました。

個人的な経験から、介護のことまで考えると、やはり自前の歯を大切にするか、歯と同じ口腔ケアでOKなインプラントでの対応が理想だと思います。

それもあって自分の場合は入れ歯ではなくインプラント治療を選びました。

快適なので次にもし歯を失ったら、またインプラントで…。

と言いたいところですが自費治療のため、1本38万円かかりました。

永久歯の32本を総入れ替えすると、

38万×32本=1,216万円かかります。

…。

やっぱり自前の歯をずっと保ちたいです!


大人から始める歯の寿命を延ばす方法

今からでも間に合う!歯を健康に保ち、寿命を延ばす方法

歯は一度失ってしまうと、再生が不可能です。

大人になってからでも適切なケアを行い、歯の寿命を延ばし、健康を維持することは可能です。

基本の歯磨き

食後の歯磨きだけでもかなりの確率で歯を守れます。

歯周病ケアには抗菌成分が含まれるもの、見栄えも意識するなら研磨剤不使用のものが理想的です。

厳選ホワイトニング成分“卵殻アパタイト”配合【e-white(イーホワイト)】歯科医監修無添加なので安心です。

成分にこだわりたい方はご検討ください。

初回無料でお試し可能です。

効果的な歯間ケアを行う

フロスと歯間ブラシの併用で、歯と歯の間の食べかすまでしっかり取ることが理想です。

フロスにはF字型Y字型がありますが、前歯にも奥歯にも使いやすいY字型がおすすめです。

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私はもともとF字型を使っていたのですが、市の健康診断に行った時に歯科検診のPRをしていた方から、Y字型を薦められて変えました。

F字型で奥歯をケアしようとすると、まれに抜けなくなるんですよね…。

私だけでしょうか(笑

歯間ブラシもI字型L字型とがありますが、オールマイティのL字型がおすすめです。

歯間ケアが不十分だと歯茎に汚れが蓄積しやすく、歯周病のリスクになるので注意が必要です。


電動歯ブラシの活用

手磨きよりも磨き残しが少なく、効率的に汚れを落とせる電動歯ブラシの使用もおすすめです。

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手磨きで充分と思われがちですが、高齢者や介護の観点からはむしろ有効な方法です。

歯ブラシを自力で動かす必要がないので、力のない方でも負担が少なく効率的に歯磨きができます。

手磨きに比べて雑菌をしっかり減らせますので、誤嚥性肺炎のリスクを軽減できる効果も期待できます。

口内の雑菌を減らすなら、マウスウォッシュも非常に有効ですが、認知症の母は吐き出さずに飲み込んでしまうことも多くなり、わが家では使用を中止しました。

カーボンブラシで輝く笑顔に【クラプロックス ブラックisホワイト電動歯ブラシ】は、医療先進国スイス発、世界90か国で愛用されています。

信頼性の高い製品で試したい方におすすめです。

歯の健康診断(重要)

3か月~半年に一度の歯科検診を受け、セルフケアでは取り切れない汚れや歯石を除去しましょう。

おー
おー

私はこれで歯周病を発見できました。もし発見が遅れていたら他の歯にも広がって、部分入れ歯になっていたかもしれません。

虫歯や歯周病は、初期段階では自覚症状がほとんどないため、歯の健康診断だと思ってぜひ、年に数回は行くようにおすすめします。

歯科医院に「歯の掃除をお願いします」と相談すれば予約を取ってくれます。

歯肉の検査もセットでしてくれるので、異常があれば素早く処置してもらえるので安心です。

歯列矯正

歯並びが悪い場合は、歯列矯正の検討もおすすめします。

歯列矯正を行うことで歯並びが整い、歯磨きがしやすくなります。

その結果、プラークの蓄積を防ぎ、歯周病の原因となる細菌の増殖を抑えることができます。

かつてはこんなイメージでしたが、現在はマウスピースで目立たない治療法も確立されてきました。

噛み合わせも改善されるので、だ液の分泌量が増え、歯周病のリスクが軽減されます。全身の健康のためにも極端に問題がある歯並びの場合は、検討してみる価値は大いにあります。

糖分を控え、よく噛んで食べる習慣をつける

糖分の多い食べ物や飲み物は、虫歯菌のエサとなります。

わが家では砂糖の代わりにプラクトオリゴ糖を使用して調理をしています。フラクトオリゴ糖は虫歯菌が効果的に利用できない糖質で、酸の生成が少ないため、虫歯になりにくい特性があります。

よく噛むことも口腔ケアには重要で、だ液に含まれる抗菌物質や免疫が、口内細菌の増殖を抑えてくれます。だ液が食事中に出続けることで、食べもののかすを洗い流して口腔内を清潔に保たれます。

子供によく噛んで食べなさい、と躾けますが、大人もよく噛んで食べないとですね。


まとめ

歯の健康が老後にどのような影響を与えるのか、実例をもとに考察しました。
歯が多く残っていると食事の自由度が広がり、健康状態を維持しやすい可能性が見えてきたのではと思います。

わが家のケースをもとにした考察ですので、すべての因果関係を断定するものではないことを付け加えます。あくまで参考にしていただければ幸いです。

歯だけで健康寿命が決まるわけではないこともご注意いただければと思います。

運動習慣や食生活などの要素も重要です。

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